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Alison Krauss + Union Station "LIVE"

Akus_live ということで,すっかり盲目的ファンになってしまったので(^^;,引き続き Alison Krauss の紹介を。
 
 "Alison Krauss + Union Station LIVE" は,バンド "Alison Krauss + Union Station" (以下 AKUS)の名義で発表されたライヴ DVD です。(同名のCDも出ています。)
 
 AKUS は,僕が知らなかっただけで,実はグラミーも受賞した有名なバンドのようですね。 というか,そういう言い方はむしろ控えめなくらいで,ちょっと調べてみたら,Alison Krauss(ソロ)も Alison Krauss + Union Station(バンド)も,新譜を出せばグラミー2冠3冠は当たり前という状況で,知名度めちゃめちゃ高いみたいです。 確かに,そう思って amazonのレヴューなどを見ると,「現代ブルーグラスを代表するバンド」という形容がなされています。 で,この "LIVE" も GRAMMY Award Winner です。
 
 さて,このDVD,内容的にはケンタッキーでのコンサートを撮影しただけのもので,映像にもコンサート自体にも全く何の仕掛けも演出もありません。 ひたすら演奏と MC とが繰り返されるだけです。 しかし,丁寧なカメラワークと,余計なものが一切ないことで,かえって見ごたえあるライヴ映像になっています。
 
 細かいことかもしれないけど,ギターをはじめ,アコースティック楽器の音を拾うのに,基本的には(ピックアップではなく)マイクを使っていることも,僕としてはポイント高いです。 なんといっても生楽器の響きが重要なブルーグラスではこういうやり方がまだ普通なのかもしれませんが,かなり自然な良い音で録音されてます。
 
 で,演奏ですが,なにしろ僕は1曲目の "Let Me Touch You For Awhile" の素晴しい歌声で,もう完全に心を鷲掴みにされてしまいました。 というか,画面を観ていてもなお信じがたい,素晴らしい声です。
 加えて,見事なハーモニー,起伏と微妙なニュアンスに満ちた演奏を最高のアンサンブルで体現するバンドも,まさに完璧!という感じです。 続く2曲目は一転してブルーグラス・スタイルに則ったインスト曲ですが,スピーディなソロ回しでバンドの演奏力をアピールします。 この2連発で客席が完全にステージに引きずり込まれていく様子が,画面からもハッキリ分かります。
 
 全体のサウンドとしては,ソロがどうこうというよりも,むしろバンドとしての一体感が素晴しくて,むしろそちらの魅力で一気に聴かされてしまいます。
 その中でも,楽器演奏の面でのポイントゲッターとしてバンドのフロントに立つのは,素晴らしいドブロ(ホントにスゴイ!)を聴かせる Jerry Daglass ということになるのでしょう。 弦楽器プレイヤーならずとも,彼の強力な演奏だけでも一見の価値は十分すぎるほどあります。
 また,Dan Tyminski (g, mand, vo) のリズムバッキングの良さも指摘しておきたいところです。 彼自身,アグレッシヴなニュアンスを持つ素晴らしい歌い手ですが,その歌同様,緩急を自在に使い分けて,ドラムレスが基本形であるこのバンドのアンサンブルに大きく貢献しています。
 
 そして再び Alison Krauss の歌ですが,これが,ライヴでますます魅力的です。 選曲的にもこの時点でのベスト的な感じだし,今これを読んでる人は,とにかく黙って1度聴いて(観て)みてくれと言いたくなる。 ……というか,彼女のソロ名義のものも含めて,彼らの作品を「どれか1つ聴いてみるか」という人には,このライヴあたりが最適かも知れません。
 また,CDのジャケットなんかを見る限り,ビジュアル的にはとりたてて美人と言うわけでもないか(←大失礼)と思っていたんですが,動く彼女を観ると予想以上にチャーミングな女性なのでした。 それから,もう1つ予想外だったのが,よくしゃべること。 声色を使い分けたりしながら長い MC をとる様子は,ほとんど「フィドル漫談」状態です(^^;。 洋楽のライヴでここまで長い MC が繰り返されるものは初めて観ました(他のメンバーは,もうすっかりスタンバイ済みで,話が終わるのを待っています(^^;)。
 
 そうそう,前回の記事で,映画「オー・ブラザー!(O Brother, Where Art Thou?)」のサントラへの参加ということを書きましたが,実は,あの映画の中で“ずぶ濡れボーイズ”が歌ってヒットする曲 "I Am A Man Of Constant Sorrow" の歌の吹き替えをしているのが,上でも書いた Dan Tyminski だったということで,もちろん本作でもそれを歌い,観客はあの映画のように手拍子して大いに盛り上がる……という場面もあります。
 
 ……とまあ,自分でもビックリするくらい楽しめてしまいました。 自分がこんなにブルーグラス好きだったとは……と言いたいところですが,実は,この DVD はじめ最近の音源を聴くと,AKUS はブルーグラスに軸足をおきつつも意欲的に他ジャンルとの融合を図っている感じがあって,にわかリスナーである僕にとっては,そこが大きな魅力になっているという気がします。 実際,インスト曲 "We Hide & Seek" などは,ほぼ「ブルーグラス編成によるフュージョン演奏」と言ってもいいくらいだし,"New Favorite" なども,もはや違う世界の曲です(しかも,この曲をアルバムタイトルに選んでいるあたりも,彼らの指向を示しているように思います)。 amazon のレビューには「大人のブルーグラス」なんてことも書いてありましたが,確かにそんな感じです。 Adult-oriented bluegrass (AOB) なんて言葉は,たぶんないでしょうけど。

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Comments

今年のCrossroadフェスに出演してましたね>Alison Krauss
MSNで見られます。http://music.msn.com/crossroads

Posted by: ひょ | August 04, 2007 at 22:23

どもども,「ひょ」どん。(^o^)

をを,ホントだ!出てる!(←とりあえず,オフィシャルサイトを見にいった)
実は先日,某所で「MSNで観られる」って知っちゃったもんで,後でいいやなんて思っていたんだけど,これは観ないと。
毎度,情報ありがとさんです。

それにしてもスゴイ顔ぶれですな〜。>Cross Roads Guitar Fes.

Posted by: JUN-K | August 04, 2007 at 23:03

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