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Not Ready To Make Nice

Taking_the_long_way テキサス州出身のカントリー・グループ Dixie Chicks がブッシュ米大統領に批判的な発言をしたということで激しいバッシングに遭ったのは,まだ記憶に新しいところですが,彼女達の新譜 "TAKING THE LONG WAY" が出ました。
 
 先行シングルになった "Not Ready To Make Nice" は,そのバッシングの経験が真正面から採り上げられており,彼女達が受けた激しい感情的な非難への怒り・やりきれなさ,そしてそれらを通り抜けてきた自分達の変わらない信念,といったものが敢然と歌われ,聴く者を圧倒します。 サウンドはアコースティック色の強いロックという感じですが,個人的な感想を言えば,正直,この手のサウンドでここまで感動させられたのは久しぶりです。
 この曲については,既に「ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記」のこの記事で採り上げられており,バッシングに関する経緯のコンパクトな解説と,町山さんによる訳詞(日本盤CDに付いている対訳よりも意訳的ですが,むしろ本質をガッチリ捉えた訳になっていると思います),それから,YouTube にあるプロモーションビデオへのリンクが掲載されています。 プロモーションビデオでフルコーラス試聴できるので,まずは町山さんの記事を読んでからプロモーションビデオを観ることをオススメします。
(なお,町山さんの Blog では,その後のこの記事でも Dixie Chicks を採り上げているので,こちらも併せてどうぞ。)
 
 そして,アルバムそれ自体も素晴しい内容です。 普通,ああいった社会現象になってしまうと,むしろ自己の音楽の中にはそれを持ち込まないようにして,敢えて変わらないマイペースな音楽を披露するアーティストが多いように思うのですが,上記 "Not Ready To Make Nice" を筆頭に彼女達はその逆を突き,バッシングの渦中で感じたことや現在の心境を,時に静かに,時に激しい口調で,表現しており,その勇気ある姿勢には敬服させられます。 (もちろん,それ以外の内容の曲もあります。)
 アルバム全体としての音楽性は,1970年代のアコースティック寄りのロック・サウンドに近いもので,Buckingham-Nicks 参加後の Fleetwood Mac あたりとの共通性が強く感じられます。 歌詞のことを抜きにしたとしても,ウエストコースト・ロック風味の音楽として聴き応えある仕上がりと言えるでしょう。
 
 
 どうも,日本ではカントリーと言うだけでなぜか拒否反応が起きてしまうようで,僕自身にもそういう感覚があるのは否定できないんですが,それだけに,(たとえカントリーの枠に収まらない音楽であっても,カントリーと言うレッテルだけで)こういうアーティストの情報は無視されがちのように思います。 エッジの効いたとんがったサウンドにしか興味がない方には敢えて勧めませんが,'70年代サウンドにシンパシーのある方は(YouTubeで試聴できることでもあるし)ぜひ一度お試しください。

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