« けしからんぞ〜!(^o^) | Main | 専門家によるコミュニケーションを阻むもの »

ゲルマニウム・グッズの不思議

 2つ前の木酢液の記事を書くときに下調べしてる過程で,その副産物というわけではないんですが,ゲルマニウム・ブレスレットやゲルマニウム・ネックレスや,はたまたゲルマニウム温浴や……と,「ゲルマニウム」をキーワードにした健康商売が,思ってた以上にやたらと流行ってるらしいことに気づいてしまいました(←気づくのが遅すぎか)。 ということで,今回はその話を手短に。
 
 その手の健康グッズ販売サイトの記述を見ると,どうやら,ゲルマニウムは「肩や腰のコリ」とか「血行不良」とかに効き目があるということのようですね。 ……そう言われちゃうと,当然のことながら「なぜ?」という疑問が出てきます。
 で,なにやら科学的な根拠らしいことが述べられているサイトなんかもあるんですが,正直言って意味がある記述とは思えないものばかりです。 例えば,楽天市場のこのページなんかを見ると,

人間の体内には、微量の生体電流が流れています。
そのプラスとマイナスのバランスの崩れが、首や肩のコリ、腰・膝痛などの体の不調の原因の
一つになっていると言われています。
ゲルマニウムは特殊な電気的性質も持ち、温度が32℃を超えるとマイナス電子が飛び出します。
このイオン化が電流のバランスを整える事から、注目を集めているゲルマニウム!
ゲルマニウムの効果は半永久的。続き副作用の心配もありません。
しかもコーティング済みですので石が汚れる心配はありません。就寝時もそのままでOKです。

いやはや,頭の中が「?」だらけになってしまいますが(^^;,こうした記述の不思議さについては既に「Do you think for the future?」 の記事「ゲルマニウムと32℃の謎」で述べられているので,この記事を読むことをオススメして端折っちゃうことにします。 それにしても,この「32℃」ってのは一体どこから出てきたのでしょう? 誰か出所を知らないかなあ?
 
 ちょっとだけ補足しておくなら,周知の通り,ゲルマニウム(元素記号 Ge)は電気回路の草創期から電子部品の材料として使われてきた物質です(子供の頃ゲルマラジオを作って「おお! 電池がないのにラジオが聞こえる!」と感動した体験を持つ人もいるのでは?)。 32℃なんていう室温に近い温度で電気的な性質がガラガラ変わってたら,とてもじゃないけど電子部品としての信頼性なんか保てないわけで(もちろん,それを使った回路の信頼性も同じこと),そんなことが念頭にあったりすると,32℃という数字がやたらと前面に出てるのは(まあ,体温に近い温度と言いたいんだろうけど)不思議としか言いようがありません。

 と思ったものの,嘘をつくのならもう少しまともそうに見える話をしそうなもんだし,となると,何か元ネタになるような話があるのかな? ……という気もしたので,肩コリに効くような何かそれなりの根拠があるのか探してみたんですが,今のところそれらしい話には出くわしていません(あったら教えてください)。 幾つかのパターンで検索してみると,ゲルマニウム・グッズの販売サイトに混じって,「科学的な根拠はない」ということを述べたサイトがちらほらヒットする程度です。 ということで,予想通りというかなんと言うか,現時点では「ゲルマニウム・グッズが肩コリなどに効く科学的な根拠はない」という結論にならざるを得ません。 僕のこの文章も「ちらほら」の1つになるのでしょうね。
 
 誤解しないで欲しいのは,ゲルマニウム・グッズを身に着けて肩コリが改善された(ような気がした(?))り,ゲルマニウム温浴をしてたくさん汗が出て気持ちよかったりした「人」や「その体験」を否定しているのではない,ということです。
 ここで問題にしたいのは,なんだかわけの分からない(間違った)説明をして,さも科学的根拠があるように見せかけて宣伝しているという「やり口」のほうです(こういうのって,平たく言えば「詐欺」に近いんじゃないかと思うんだけど)。効果のほどは措いといても,こういう全く信用できない情報を撒き散らす業者を信用していいのか,ゲルマニウム・グッズにカネを出す前にちょっと考えたほうが良いのではないでしょうか。
 変な言い方かもしれないけど,ある意味,「なんだか分からないんですが,とにかく気持ちが良いものですよ」というほうがむしろ良心的なわけで,小賢しい根拠なんて付けないっていうんじゃダメなんでしょうか? 僕自身,メカニズムの話は措いといても,ゲルマニウム温浴とやらがそんなに気持ち良いものなら1度くらいカネ払って試してもいいくらいの気分はあるし……。 もっとも,ブレスレットを買う気は全くありませんが。
 
 
[追記]
 引用部分を追加,その前後の文を意味がつながるように書き直しました。 (2005/12/18)

|

« けしからんぞ〜!(^o^) | Main | 専門家によるコミュニケーションを阻むもの »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/38221/7152216

Listed below are links to weblogs that reference ゲルマニウム・グッズの不思議:

« けしからんぞ〜!(^o^) | Main | 専門家によるコミュニケーションを阻むもの »