最近読んだ記事 (13)

わははは(^o^),こういうネタ,けっこう好きかも。

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2010年のベスト (2/2)

 ということで,2010年のベスト,後半です。



[印刷物部門]
 
科学と神秘のあいだ(菊池 誠,双書Zero)
科学と神秘のあいだ このBLOGでも紹介したことのあるきくちさん(阪大)のエッセイ集。 物理学者の書いたエッセイというだけで大半の人は逃げて行っちゃうのかもしれませんが,難しいところはなく,そもそも物理の話でもなく,きわめて読みやすいエッセイが並んでいます。
 ところで,全然関係ないことですが,僕は多くの人から,冷静・冷ややか・理屈っぽいなどと言われたりします。 そうした評価には,まあシチュエーションにも依りますが,概ねネガティヴなニュアンスが込められているようです。 端的に言えば「人間味がない」ってヤツでしょうね。 こういうのは周りから見てどうなのか?というのが重要で,自分から「いや,オレは人間味にあふれている!!」などと力んでみてもしょうがないわけなので(っつーか,そんなことを自分で言うヤツがいたら,あんまり関わりたくないかも (^^;),まあ,みんなが言うなら多分そのとおりなんだろうなと思ったりします。 ……で,きくちさんに面識があるわけではないので,どういう方なのかは知らないし,勝手に同類にされてもハタメーワクなだけでしょうが,物理学なんかやってる人となると,同じような方向の先入観を持たれそうだな……という気がしたりします(←僕の偏見かもしれませんが,たぶん,そうでもないでしょう)。 いわく,「世の中,リクツだけじゃないんだよ!」ってなわけです。 またまた同列に扱うのもなんですが,僕にしろ,物理学者の人にしろ,多かれ少なかれ「(いわゆる)人間的」な部分はあるし,いろんな感情も持っている。 というか,科学者の「(いわゆる)リクツ」に代表される科学的な見方・考え方は,むしろ訓練によって身に着けてきている部分も大きいと思います。 この本は,そのような多少なりとも偏見にまみれた「リクツ」の部分と,それでは割り切れない「感情」の部分を,科学者と言われる人たちがどのように折り合いをつけて日々を過ごしているのか? ……そういったところを垣間見せてくれる興味深い文章が並んでいます。 軽い読み物だし,しかも一読の価値アリと思います。
 この本については「科学と生活のイーハトーヴ」の秀逸なレビューがあるので,そちらもご覧ください。

代替医療のトリック(サイモン・シン, エツァート・エルンスト,新潮社)
代替医療のトリック 上の「科学と神秘のあいだ」とは違って,お手軽に読めるとは言いがたいんですが,一般向けとしては若干とっつきにくいかも知れない……という程度で,あくまで一般向けとして十分分かりやすく書かれています。
 この本は今後「代替医療」を考えるときに,まず押さえておきたい「リファレンス」みたいなものになるのではないかと思います。 代替医療に興味あるかたは,まずは一読をオススメします。
 世の中,妙なものを勧めてくる人は多いし,それらの中には,本当に「よかれ」と思ってそれを勧めてくる場合も少なくありません。 もちろん,「善意で勧めている」ことが必ずしも免罪符にはならない。 むしろ,善意で勧めていることが分かるだけに,断りにくいなんてこともあります。 こと「代替医療」に関する限り,この本を読んでおくことは,そういったものに対処するときの基本的な態度を作るうえで役に立つのではないかと思います。 お手軽ではないなどと脅かしといてなんですが,興味ある人はもちろん,(僕の本音では→)普段こういう本を読まない人にこそ,ぜひ読んでほしい1冊です。

 
[映画部門]
 
(次点) キック・アス
Kick-Ass 去年は映画自体あんまり観なかったのでした。 で,観た中ではこれですね。 ヒロインのあまりにカッコイイアクションシーンが語り草になっているようですが,そういうこと以前に,とにかく話の着想の時点で「ワザアリ」なわけで,失笑モノのギャグや無駄にグロいシーンなども交えつつ,でも,一人の少年の成長譚として良くできていると思いました。 かつて変身ヒーローものに心熱くしたことがある人なら,見て損はない映画でしょう。

 
[BLOG記事部門]
 
「井上俊彦のメディカル・イーティング」に学ぶ情報商材のノウハウNATROMの日記
 2010年もネット上の文章をたくさん読みましたが,上で書いた本,それから他に読んだいくつかの本を加えて考えても,この記事,というより,この記事の最後の「まとめ」の,特に最後の段落は,去年一番強く印象に残った文章かも。 まだ読んでないかたは,ぜひ一読をお勧めします。
 


[(番外) 2010年のワースト]
 2010年もミュージシャンの訃報があれこれありましたが,その中でも,個人的に最もショッキングだったのは,Little Feat のドラマー Richie Hayward の訃報でした。
 以前も書きましたが,Little Feat の再結成後の来日公演は,僕のこれまでのベストライヴの1つです。 強者揃いのメンバーの演奏は期待を遙かに上回るものでしたが,その中でも,Richie Hayward が見せるその時々の閃きと,それを強引なまでのノリで体現して聴き手をねじ伏せる強力さは圧巻でした。 僕はそれなりにいろんな有名ミュージシャンのライヴを観てきましたが,ナマで観たドラマーの中で「天才」という言葉に最も近いのはこの人だろうと思っています。 合掌。
 ちなみに,Little Feat は,女性voの Shaun Murphy も 2009年に脱退しており,既に新drを加えて活動を続けているようです。

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2010年のベスト (1/2)

 なんと,またしても思いっきり間が空いて,おとその時期を逃したばかりか,未曾有の大災害まで起こってしまいました。 メールをくれたみなさま,話題にしてくれた大学時代の友人・先輩のみなさま,ありがとうございました。
 
 何事もなく……というのはさすがに言いすぎですが,少なくとも,このサイトはいつもどおり淡々と(のろのろと)文字数を増やしていこうと思います。 で,恒例(?)の去年のベストです。 テキトーに書き散らかしていた下書きが残っていてホントによかった。 まずは前半,音楽関係です。 もう秋ですが,例によって,おとそ気分で読んでください。
 
 
[CD部門]
 
Karel Boehlee Trio "BEST MASTER QUARITIES"
Karel Boehlee Trio 2009年の Louis Van Dijk Trio に続いて,ヨーロピアンなピアノトリオです。 とにかく聴いてウットリ,エレガントなひとときを過ごしたい人には最高!じゃないでしょうか。 アメリカ系のジャズピアノによくあるスイング感が立ったものとは違って,抑制の効いたリズムを伴いつつ,ひたすら美しい演奏が続きます。
 去年はなぜか,ときに4ビートのスイング感さえも邪魔くさく感じられたりして,癒しのひとときを求めてこれを度々聴いてました。 ……こういう紹介の仕方をすると,ピアノばっかりというように取られるかも知れませんが,これがさにあらず。 ベースの演奏にもかなりの比重がおかれていて,これもなかなかです。

Fourplay "Let's Touch The Sky"
Fourplay ギターが Larry Carlton から Chuck Loeb に替わり,ジャズ的なスリルを増した快作。
 新加入の Chuck Loeb ももちろん素晴らしいですが,加えて Bob James。 Chuck Loeb の加入に影響されてか,少なくとも僕にとっては,イメージの中にある本来の Bob James の演奏に近づいたような気がします。 大歓迎です。
 曲にも演奏にもややハードな場面が増えたので,イージーリスニング的というか smooth jazz的な聴きやすさは,そのぶん後退しています。 ということは,もしかしたら一般的な人気も後退するのかも知れないけれど,個人的には,このように随所にピリッとしたところがあるほうが好きだったりします。 次もこの路線で突き進んでほしいですね。

 
[ライヴ部門]
 
◎ Paris Match at Billboard Live Tokyo
 Paris Matchデビュー10周年ということで,豪華ミュージシャンを引き連れてのライヴ。 さすがに見応えありました。 特に,松原正樹さんのプレイには(妙な言い方かもしれませんが)改めて惚れ直した…って感じです。 Paris Matchは,続くライヴも見たんですが,率直に言って,やはりベテランミュージシャンたちが作る音は一味もふた味も違いました。 ……そうそう,新譜もよかったですね。
 
○ 畠山美由紀 at キリスト品川教会 GLORIA CHAPEL
 僕には珍しく日本人が続きます。 去年のマイブームの勢いで聴きに行ったんですが,とにかくレパートリーの幅が広くて,何の曲をやりだすのかまるで見当がつかない。 しかも,何を歌ってもウマイ!というわけで,ホントにスゴイ人でした。
 
○ Annekei at Blues Alley Japan
 ライヴアルバムも出たので,そちらを聴いても(ある程度は)わかると思うんですが,この人,ライヴで聴いてもマジでウマイです。 こういう軽めのポップス系の歌い手って,なぜか,生の演奏に接するとちょっとガッカリみたいなパターンが多いようなイメージがあったんですが,そういう先入観をいい意味で裏切ってくれます。
 加えて,Dimension人脈(?)による演奏も見事でした。 2009年に観に行ったときは,drにもうちょっとだけ繊細感があれば……などと思ったんですが,今回はそういう点も払拭された感じで(ステージ上のやり取りから察するに,リハに使った時間はむしろ今回のほうが少なかったっぽいんですが,そこはさすがに則竹さんってことでしょうか),歌も演奏も素晴らしい!と言えるものでした。 ただ,人気出てきたということかもしれませんが,ついに入れ替え制になってしまったのは,ちょっと残念。
 



ということで,次回は音楽以外についてです。

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人柱@ "AJA" SACD版

ということで,今回はかなりマニアックな話題です。
 
Aja_2 ちょっと前の話ですが,Steely Dan の代表作と一般に言われている(個人的には "THE ROYAL SCAM" 以降の3作はどれも甲乙つけがたいんですが) "AJA" が日本側の特別企画で SACD化されました。 で,何の迷いか勢いか,Incognitoの新譜と一緒にポチッとな してしまったのでした。
 
 おそらく,このSACDに関しては気になっている人も多いでしょう。 気になりつつも,あまりの値段設定に(¥4,500はいくらなんでも……。 よほどのファンか,僕のように一時の気の迷いでもないかぎり,なかなか購入には踏み切れないと思います)様子見している人も多いでしょう。 そこで,にわかに人柱と化した僕がレポートしようと思います。
 
 まず,今回のSACD化のポイントの1つは,日本側のアナログマスターを使用して日本側でリマスターしたということで,

  • 本国のオリジナルマスター使用ではない点
  • Steely Dan本人たちの関与がない点
あたりを気にしている人もいるのではないかと思います。 しかし,これらはある意味,気にしてもしょうがない部分なのでしょう。 2000年の "Remastered by the artist" 版が出た時点で,既に本人たちのコメントから "Black Cow" と"Aja" の2曲のオリジナルマスターテープが紛失していることが明かされているわけで,日本側アナログマスターが一概に悪いとは言い切れないです。 また,RHINOやMoFiといった再発メーカーの仕事ぶりを見れば,アーティスト本人が関与していなくても良い結果が出る場合も十分あると言えます。 とまあ,買うなら,そこらへんはひとまず納得ずくで買うべきでしょう。
 
 装丁は限定版紙ジャケットなんですが,……ハッキリ言って,どこにディスクが入っているのか分からん! もとの LPもダブルジャケットでしたが,このSACD版はもっと複雑になっていて,LP版に忠実と言うわけでもないし,内側の復刻は省略されてるし,いったい何をしたかったのかワケが分かりません。 そりゃまあ,普通のプラケースにしたからといって急に¥2,000円になったりはしないんでしょうが,こんなところに凝るよりはちょっとでも安くしたほうが……と嫌味の1つも言いたくなってしまいます。 とはいえ,この辺は枝葉末節なので,すごく気になったりはしませんが。
 
 で,盤をようやく探し出して,再生です。 なお,僕のオーディオ機器は学生時代にバイトして買ったものがメインで,決して最新のものではありません(というか,かなりの年代モノです)。 ただし,SACDプレーヤーは DENONの比較的新しい機種です。SACDというと,一般には「より繊細感が増す」というような感じで語られることが多いようですが,僕のセットで再生すると,むしろ骨太感が増すような感じがする場合が多いです。 繊細感ではなく,音の存在感・実在感が増す方向というか……。 それから,住環境が貧弱なので大音量での再生は不可で,LOUDNESSスイッチ常時ONみたいな状態にしないとまともなバランスでは聴けません。 以下の感想は,こういう再生環境で僕が聴いた,全く個人的な感想であることを割り引いて読んでください。
 
 一聴してすぐに分かるのは中低域が強く分厚い音ということです。 高域側はやや抑え気味で,わりとハイハットが引っ込んでいる曲が多いです(昔のLPって,そんな感じでしたね)。ただし, 時々シンバルの音がかなりリアルな場面がありますから,全面的に高域側が落とされているわけではないようです。 Rick Marotta が自慢げに語っている有名な "Peg" でのハイハットワークなんかも,かなり見事にきこえます。 解説でもスネアやベースの沈み込みが深くなっていることが述べられていますが,確かに,ズシッとくる中低域はこれまでの CD版とは全く違う手応えで,重心がグッと低くなったリズムセクション(特に,やはりベースとスネア)はとても魅力的です。
 全体に残響の少ない,ドライかつ生々しい音で,それぞれの楽器の音に厚みがあります。 定位もさすがに悪くないけど,ピンポイントと言うよりももう少し分厚い定位感というところでしょうか。 2000年のリマスター版CDと比べると,中低域の実在感・厚みはSACD版の圧勝でしょう。 Donald Fagen の声も,より前に出てくる感じがします。
 
 しかし,その一方で,音のシャープさ・キレといった面では,疑問符が付きます。 ちょっとモッサリした音とでも言うのか,ギターのカッティングなどのシャキッとした感じやアタック感は薄まっているし,シンセなんかのスピーディな音はちょっとキビシイように思いました。 表題曲のハイライトシーンである Wayne Shorter の sax と Steve Gadd のドラムが交錯する場面も分離がいまひとつで,CD版に慣れた耳にはもうひとつ盛り上がりきれないのも残念。 また,これは人によって意見が分かれるところでしょうが,音楽全体を通した微妙なバランスという点で,2000年リマスター版の方が優れているようにも思えます。 ハイハットが抑えられている中で急にシンバルの高音が前面に出てきたりしてちょっと違和感を持つ場面があったり,ドライすぎてもう少し残響感が欲しくなったりもします。 濃厚なぶん,開放感は抑え気味 ……もっとも,この辺は高級オーディオでちゃんとした音量で聴くと違うのかもしれませんが。
 と言って,じゃあ大して良くないのかというと,これがさにあらず。 これを聴いた後,試しに2000年リマスター版CDに切り替えると,各楽器の音が急に細くなったと感じられて,物足りない気分にさせられたりします。
 
 というわけで,なんだか悩ましいヤツが登場したという感じですね。 とにかく,良し悪しを抜きにして,2000年リマスター版とは別モノの音です。 総合的にはアナログディスク的な音という感じで,特徴を一言で言うなら,記憶の中のLP版の音のイメージに近い……と言えるでしょう。 LPの音が刷り込まれていて,それ以外の音だと「違う」と感じてしまう人とか(←これは良し悪しの問題ではないです。 好みと言うのはそういうものでしょう。 …念のため),とにかく中低域の充実感重視というかたには,今回のSACDは試す価値大です。 しかし,上で書いたとおり,2000年リマスター版のほうが優れている面も多々あるように思います。 僕個人としては,各楽器の厚み・低域側の素晴らしさに心惹かれつつも,トータルでは 2000年リマスター版の(トータルの音楽表現としての)バランスの良さに軍配を上げる……かな(←なにしろ別物なので,結構難しい選択なのです)。 2000年リマスター >(僅差で)今回のSACD >>(越えられない壁)>> それ以前の通常版CD という感じでしょうか。 特に,初めて "AJA" を聴く人は,2000年リマスターを聴くほうがいいように思います。 このSACDはあくまでその魅力を知っているマニア用という気がします(まあ,値段もマニア用ですから,その意味では合っているわけですね)。
 
 
 ということで,人柱報告でした。 まとめると,試す価値はあるけれど過度な期待は禁物,というところでしょうか。 僕自身はそれほど後悔してませんが,とはいえ,勢いのついてない状態で冷静に「¥4,500払うか?」と問いかけられたら考え込んじゃう(というか,買わないかな?)と思います。(^^;
 
 ……そうそう,SACDはほとんどの場合CDとのハイブリッド盤ですが,今回のは SACD信号のみ,CDのシグナルは入ってません。 SACD再生環境が必須です……念のため。

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2009年のベスト (2/2)

ということで,ほぼ1年遅れで登場した2009年のベスト,後半です。
 



 
[印刷物部門]
 
 相変わらず続く新書ブームですが,単価が安いのはありがたいものの,どうも粗製乱造の感がますます強くなってるような気がしてます。 そのせいなのか,個人的にわりと忙しい年だったせいで自分自身の感度が鈍っていたのか,はたまた引きが弱くてハズレくじばかり続けて引いちゃったのか,それはよく分かりませんが,総合的に見て,去年はいつもよりもグッと来る本が少なかったな……と思います。 そんな中,楽しんだのは,どちらかというと去年の作品ではないものだったりしました。

魔女とキリスト教(上山 安敏,講談社学術文庫)
Majo 魔女裁判については,怖いもの見たさ的な関心がありつつも,断片的な記事を目にするばかりで,まとまった形の本に接することがありませんでした。 その意味では,ようやくちゃんと読んだ本……という感じではあります。 高校で世界史をやらずに済んでしまった世代であることも手伝って予備知識が圧倒的に乏しいため,理解できない内容や言葉が多々あったんですが,その点を差し引いても面白い内容でした。

ほんとうの「食の安全」を考える−ゼロリスクという幻想(畝山 智香子,DOJIN選書)
Uneyama 「魔女とキリスト教」はかなり前の出版ですが,去年出た本に限れば,やはりこれでしょう。 去年はこのBLOGでも畝山さんの文章をたくさん紹介していたように思いますが,本も……ということになりますね。
 大学の授業の副読本的なイメージの本で,頭文字を使った略語がバンバン出てきたりします。 そのため,はじめは(僕も含め)初学者にはちょっととっつきにくい印象になってしまい,一般向けの本として見ると損をする結果になっているかな?と思わないでもないです。しかし,内容的にはとても面白いです。 例えば,なんとなく漠然としたイメージで,農薬=危険,無農薬=安全,有機農業=なんかすごく良いもの……みたいに思っている人には,ぜひ読んで欲しい1冊です。 そういった単純な(しかし決して正しいとはいえない)意識に根本的な問いを投げかけてくれます。 しかも分かりやすい例とともに。 こういうのこそ,もっと広く読まれて欲しいんですが。 ……せめて,僕がここで採り上げたことによって「ケッ,アイツの薦める本なんて,どうせ鬱陶しいものだぜ」というような先入観を持たれないことを願います。


[映画部門]
 
チェンジリング
Changeling いわずもがなのヒット作ですね。 基になっているゴードン・ノースコット事件(Wineville Chicken Coop Murders)がとにかく後味悪いものだったりするわけですが,映画のほうは,後味が悪くならないように気を配った展開になっていました。 若干脚色もあり,実話よりも多少シンプルな構成にしてあったようでもあります。 とはいえ,ジワジワと追い詰められるかのような不気味な緊迫感は,ホントに素晴らしいものでした。 奇抜な映像でびっくりさせるタイプの作品ではないことも良かったし,その分ビデオで観ても楽しめるように思えるので,まだ見てないかたにはオススメです。
 映画を観たかたには,もとの事件について Wikipedia に記事があるので,紹介しときます(なお,英語版の記事は日本語版とは微妙に異なる記述が見られます。 映画が好評だったこともあってか,その後いろいろアップデートされてるようで,日本語版の記事は以前見たときの英語版記事の内容に近いです。 現在の英語版記事のほうが内容充実かつ冷静な記述ぶりで,より客観的な事実に近づきたい向きにはこちらのほうがオススメと思います)。 ただし,映画未見のかたは Wikipedia を参照するとネタばれするので,その前にまず映画を観ることをオススメします。

 
ザ・ムーン
In_the_shadow_of_the_moon 僕がこれを挙げないでどうする!?と思ったので挙げときます。 アポロ11号月面着陸40周年ということで,去年はアポロがらみのイベントなどいろいろありましたね。 同様の映画では,BBC系の「宇宙へ。」もありましたが,「ザ・ムーン」のほうが数段よかったと思います。 「宇宙へ。」のほうはアメリカの宇宙計画全体をざっくり俯瞰するような構成になっていたせいか,ちょっと食い足りない印象でした。 「ザ・ムーン」はアポロ計画周辺に限定していたというのもありますが,それよりもなによりも,やはりクルーたちの証言の素晴らしさを中心に据えたことが勝因のように思います。 40年前のものにしては映像も凄くて,「へ〜〜,こんな映像があったんだ!」みたいに思うシーンも多々ありました。

 
アンヴィル!
Anvil 2009年の音楽映画としては,"THIS IS IT" よりも断然これでしょう! 2008年の「ヤング@ハート」に続いて,音楽を扱ったドキュメンタリー映画に見事にヤラれました。 メタル好きでなくても必見です(現に,僕は特にメタル好きではないし)。 アンヴィルのメンバーたちの証言はもちろんのこと,それを取り巻く家族たちの意見も,(賛成のものでも反対のものでも)うなずけないものはないという感じで,見事に最後まで持っていかれちゃいました。 映画で観る“男の生きざま”という意味では「レスラー」も良かったけど,個人的には,「レスラー」は痛みが強く感じられすぎて観ていてツラすぎました。 なので,僕としては「アンヴィル!」のほうを挙げときたいと思います。

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2009年のベスト (1/2)

え〜,みなさま,あけましておめでとうございました。
新年にしては途中にミョーに蒸し暑い日が続きましたが,気にせず,初春気分で再開です。(^^;;;;;
 
 今年のライヴは4回。 既に全て終了しました…新年なのに(しつこい)。 で,どうやらちょっと落ち着いてきたので,セッションなどで人が足りないかた,へたくそでもよければ(←ココ重要)声をかけてやってください。
 
 さて,この間に,はやぶさが奇跡的に帰ってきて,いきなり大フィーバー(死語)ということもあったわけですが,ひとまず,去年の年末に書きかけたまま放置されていた「2009年のベスト」を,なかば書きかけのまま,お送りします(さすがに本人も忘れている部分が多いんですが,書きかけ原稿があったのでお送りできる,というわけです)。 ……くれぐれも,おとそ気分でお読みください。(^^;
 例によって2回に分けます。 今回は音楽関係です。
 
 



 
[CD部門]
 
畠山美由紀 "wild & gentle"
Wild_and_gentle 去年は,ベスト盤的なアルバム "CHRONICLE 2001-2009" が出たのをきっかけに,突如,畠山美由紀がマイブームになったのでした。 で,一番よく聴いたのが, "CHRONICLE 2001-2009" ではなく,むしろ旧作の "wild & gentle" だった……というわけです。 買ったのはずっと前だというのに,買った当時はそれほど聴かず,今頃になって聴きまくってしまうとは……我ながら,好みの変化というのは面白いもんです。 「オーガニックな」という形容はあまり好きではないんですが,うまい言葉が見つからないので,とりあえずそう表現しておきます。 アコースティックな楽器を基本に,ときにエレキギターなどを使っても,自然で等身大な雰囲気を失いません。 静かな曲ももちろんいいけれど,個人的には時折出てくるアップテンポの曲にも強く惹かれます。

 
Louis Van Dijk Trio "GONE WITH THE WIND"
Louis_van_dijk_trio 打って変わって,こちらはヨーロピアンなピアノトリオです。 ある意味よくできたイージーリスニング的な趣もあり,ゆったり優雅な「くつろぎのひととき」を演出するには最高!って感じです。 同じヨーロッパ系といっても,音の傾向として,2008年のベストで挙げた Marcin Wasilewski Trio "January" が寒色系とするなら,こちらは暖色系で,好対照です。
 これまた,少し前の僕ならこういうのを気に入ったかどうかアヤシイもんですが,去年はなぜかハマってしまいました。 普段ジャズなんか聴かない人にも,とっつきやすい作品と思います。

 
 
[ライヴ部門]
 
○Swing Out Sister(at Billboard Live Tokyo)
 去年のベスト・ライヴを1つ選ぶ…というと,Swing Out Sisterかな,と思います。 前年の秋ごろのイギリスでのツアーから続いた流れでアンプラグドに近い形式のライヴでしたが,このことがプラスに出て,どの曲も鮮度の高い演奏でした。 体調の関係でツアーから遠ざかっていた Andy も復帰して,久々に,レコーディングとはぜんぜん違う演奏をしてしまう Swing Out Sister のライヴを満喫したような気分でした。
 とはいえ,アンコールで,「東急ハンズで買ってきた」といってフラフープを披露したのには参りましたが……(^^;。 拍手する以外どうしろっていうんだ!?(^^;;

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